私はある業界の仕事に就きたくて、その仕事のことを学んだり、資格の勉強をすることが出来る専門学校に通いました。
そして学校を卒業後、念願のその業界の仕事に就くことが出来ました。
でもやっと受かることが出来たその会社は小さい個人経営の会社でしたので、給料がすごく安かったですし、残業が多いのに残業手当はぜんぜん付きませんでした。
でも憧れていた業界の仕事でしたし、せっかく雇ってもらえた会社でしたので、我慢して働き続けました。
ですから私の生活は苦しくて貧乏でした。
・アパートの洗濯機で洗濯
その時、私は小さいアパートに住んでいたのですが、そこに置く洗濯機を買うお金はありませんでした。
幸い、そのアパートの屋上に住人が使うことが出来る古い二層式の洗濯機が置いてありましたので、その洗濯機で洗濯をしていました。
でもその洗濯機を使っているのは女性だけではなく男性も居ましたので、下着などの洗濯をする際には怖くて、洗濯機が動いている間、屋上にずっと居なければいけませんでした。
寒い日や暑い日に屋上にいるのは苦痛でしたし、途中、男性の住人が洗濯機を使いに来た際に話をするのが億劫で嫌でした。
貧乏でなければ、自分の部屋に洗濯機を置いて洗濯できるのに、と何度も思って悲しくなりました。
・格安で電子レンジを購入
また外食したり、コンビニのお弁当を買うお金はありませんので、毎日、部屋で料理を作って食べました。
そしてそのためには電子レンジが必要でした。ある時、住んでいた部屋からずいぶん遠い場所にあるディスカウントショップで、電子レンジが格安の値段でセールに出されていることが分かりました。
私はその電子レンジがどうしても欲しかったのですが、タクシーを利用するお金はありませんでした。
ですので古い自転車に乗って、そのディスカウントショップまで行きました。そして電子レンジを無事に格安の値段で購入することが出来たので、その電子レンジを古い自転車の荷台に紐で括り付けて、必死に自転車をこぎつづけたり、辛くなったら自転車から降りて自転車の荷台に乗っている電子レンジを抑えながら歩き続けました。
距離もかなりあったのですごく大変でしたし、自転車に乗っている時に電子レンジの重みでバランスを壊して、こけそうになってしまうこともあって冷や冷やしました。
そして長い時間をかけてやっと部屋まで帰った時にはホッとしました。
お陰でその後は電子レンジを使って料理を温めることが出来るようになったので嬉しかったのですが、貧乏なために遠方にあるディスカウントショップまで自転車で行って、荷台に電子レンジを乗せてこないといけなかった経験はとても悲しいものでした。
そんな貧乏な恥ずかしい姿を誰にも見られたくないと思いました。