かつて、仲良くしていた職場の同僚が超ドケチでした。
私と彼女は当時、共に20代後半で、共通の友人の結婚式に参列する機会がありました。
ご祝儀の金額を決め、祝儀袋を一緒に買いに行こうと誘ったら「姉さんのがあるから」とのこと。
「お姉さん?」と、聞いてみると、お姉さんの結婚式で頂いた祝儀袋を保管していて、名前の書かれた部分だけを入れ替えて使うとのこと。考えたこともなかったことだったので目から鱗でした。
・高価なものは本当に喜ぶ年齢になってから送るべき
また、当時お互い独身でしたが、彼女には甥が、私には姪がいました。私は、小さな姪が可愛くて、ブランド物の洋服など次々プレゼントしていました。
ですが、彼女は「小さいうちはプレゼントしても記憶に残らない。親が喜ぶだけ。高価なものは本人がわかるまでプレゼントしない」と決めて徹底していました。
とはいえ、彼女にも甥っ子を可愛いがる気持ちはあるらしく、ある時など「バザーで甥っ子用に良い物を見つけた」と、ガラスケースに欠けのある五月人形を嬉しそうに抱えているところに遭遇したことがありました。
その時はなんてケチなんだろうとあきれましたが、それから年月が経ち、私の姪もおおきくなりましたが、誰に何を貰ったなどと言うことはまったく覚えていませんでした。
ちょうどお小遣いもブランド物も、最も喜ぶ時期には、私の暮らしがお金の節約に励むようになってしまっていて、高価な贈り物はできませんでした。
ドケチの友人の言ったとおり、高価なものは本当に喜ぶ年齢になってから送るべきだったと、節約しなかったことを後悔しています。
・フランス旅行でのドケチぶり
また、一緒に海外旅行でフランスへ行った時もドケチぶりを発揮していました。
旅行の案内書には「常備薬を持って行くように」と書いてあり、私は薬屋が開けるほど用意しましたが、彼女は「薬は添乗員が持ってるから貰えばいい」と、まったく持って行きませんでした。
荷造りについても、荷物を少しでも少なくするため圧縮袋を持って行くと言っていたので、私も買って持って行きました。
ですが、彼女が持って来たのは元はインナーが入っていたと思われる、口元が繰り返し接着できる使いまわしの物でした。
また、お互い、職場の同僚にお土産を買いました。私はキーホルダーや小物類を選び、彼女はチョコレートボンボンが20個くらい入った袋を買っただけでした。
どうするのかと思ったら、ホテルに置かれていたフランスの新聞を持ち帰り、その新聞でボンボンを、二つ三つ包みお土産として渡していました。
悲しいことに、私のキーホルダーより何倍も喜ばれていました。
ドケチの世渡り術、侮るべからずと今では、懐かしく思い出しています。