私は生まれつきのアトピーに苦しんでいます。
幼少期は皮膚から血がたくさん出ていました。
中学生、高校生になると、友達の肌の綺麗さと比較するようになりました。
大学生、社会人になれば、お付き合いした人が肌を見て気持ち悪いと思わないように頑張っていました。
この苦労は年齢とともに軽くなるものの、一切消えてなくなることはありません。
幼少期のお話をします。
毎晩痒くて無意識のうちに掻くので、朝起きたら血まみれです。
母親は、そんな私をまずお風呂に入れ、肌を柔らかくしてからクリームを全身に塗ってくれました。
一方私は、肌に傷がついているのでお風呂に入ろうもんなら痛くて沁みて苦しかったです。
今なら母親の苦労も理解できます。
アトピーの経験がないから試行錯誤だったみたいです。
中学生になると、思春期真っ只中で自分も友達もいろんなことを覚えました。
体操服を着れば半袖からは肘が見え、半ズボンからは膝の裏が見えます。
他人との比較癖がつくにはぴったりな年齢でした。
幸いいじめに遭うことはありませんでしたが、周りから嫌われないように苦労したものでした。
そして悲劇は大学時代に起きました。
初めてお付き合いしたのは大学1年生の頃で、当時大学3年生の先輩と付き合っていました。
運よく大学1年目は肌の状態が良かったため何の問題もありませんでした。
しかし大学2年目に入ったとき、肌がパンパンに赤く腫れるようになりました。
もちろん、肌に潤いがあることなんてありません。
ある日、パートナーからこう言われました。
「お前の肌、ガサガサだな」
当時は、ショックを通り越してよくわからない反応をしてしまいました。
「ガサガサなんて、自分が一番わかってるから他人から言われたくない」
そんな感情が後から湧き上がってきて、その方とは別れました。
とはいうものの、それがトラウマになってしまいました。
お付き合いするくらいの距離感になると、肌を隠してもすぐバレます。
それから数年後、大好きな人ができました。
本当に別れたくないしずっと一緒にいたかったのですが、
大好きな人に嫌われるのが怖くて付き合って3ヶ月で自分から別れを告げました。
今思うと、臆病だったなと思います。
そして、アトピーのせいにはしていられないなとも思います。
アトピーの副次的な苦労とともに生きてきました。
このことから、アトピーの完治よりも私にとって重要なことが見えてきます。
苦労を伴う人生だからこそ見える世界があります。
人の痛みに寄り添うことができたり、物事の許容力もつくと考えます。