ヒロニャン情報局

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辛い経験があったからこそ今がある

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私は子供の頃からパティシエになるのが夢でした。

近所にあった洋菓子店で働くお姉さんが凄く格好良く、働く姿に憧れた事が切っ掛けでした。

その憧れは年齢を重ねても色褪せること無く、お菓子を作る事も食べる事も好きだったので高校を卒業後には親に頼んで製菓の専門学校に入学しました。

そこでは調理師免許の取得を目指して勉強しました。

専門学校では勉強は大変でしたが自分の知らないお菓子の知識を次々と学べたり、実習ではプロの技術を教わり、実践する事で家で作っていた物とは比べものにならない位高度なお菓子が作れる様になったりと嬉しいことがとても多い時期でした。

そんな楽しい日々も1年と少しで終わり、いよいよ私はパティシエとしてケーキの専門店に就職しました。

仕事が大変だって言うのは知識として理解は出来ていましたが、想像力が足りていない部分もありました。

入社初日から私は挫折してしまいます。

入社したお店は比較的大型だった事もあり、朝の仕込みも膨大です。

自分は簡単だからとメレンゲ作りを任されたのですが、ハンドミキサーの振動で腕がおかしくなるんじゃないかって位しびれを感じました。

数百食分のメレンゲなんて立てたこともなかったので仕事って大変だなと思いながらメレンゲを立て終わり、チーフに確認をして貰った所、メレンゲの立て方が悪いと指摘を受けました。

作業が手早く出来ていなかった為に気泡が少なく、もったりとしてしまっているこれでは使い物にならないと目の前でメレンゲをゴミ箱に捨てられました。

チーフは顔は笑って優しい口調ではありましたが、まさか目の前で捨てられるとは思って居なかったので驚きました。

その後、もう一度メレンゲを立て直し確認をお願いすると、今度は一目見ただけでダメだねぇと言われてまた捨てられました。

怒っている様子の無いニコニコ顔なのに、厳しい対応のギャップが何処か怖くてその時点で泣きそうになっていたのですが何とか堪え、先輩の方に教わりながらもう一度メレンゲ作りを始めました。

自分の所為で仕込みが遅れているのが空気感で分かってしまうので凄く辛い思いでしたが、どうしようも出来ず、先輩に教わった通りにメレンゲを作り何とか朝は終了しました。

仕込み後にはチーフを含めて全員に遅れて済みませんと謝罪をしたのですが笑って許して貰え、楽しく談笑しました。

開店が始まってからは接客を任されました。

その日は終日、接客をして終わりました。

翌日も朝の仕込みでメレンゲ作りをします。

メレンゲの作り方は教わってはいるのですが、どうしても一人でやると上手く行かず、リテイク一回でOKを貰い接客しました。

そして翌日もメレンゲとなります。

そして、入社して一月が経っても自分はメレンゲ作りと接客しかさせて貰えていない状況でした。

同僚がいなかったので新人がどれくらいのペースで仕事を覚えるのかは分からないのですが毎日メレンゲだけ作って後は接客ではパティシエとして働いていると言えるのかって疑問がありました。

他の人達は全員引き抜きで入っているので初日からお菓子作りをしたらしく、私とは立場が違いました。

私はこのままでは納得できないとチーフに別の作業をしたいと申し出ました。

するとチーフには笑顔のまま、君は接客の為に雇ったから今はメレンゲ作りだけで良いと言われました。

愕然としました。

辛い思いをしてメレンゲ作りを頑張ったのに、それ以上の事はさせる気が無いと分かり、その場で私は退職を言い渡すとチーフはまだ笑顔のまま了解と短く一言で終わりました。

以降しばらくはメレンゲが苦手になりましたが、別のお店でパティシエとして今度はお菓子作りをしています。

乗り越えた過去ではありますが辛い時期でした。

 

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