バーチャルユーチューバー、vtuberと呼ばれる新しいエンターテイメントの形がこの世に登場してしばらく経ちます。
中でもキズナアイはまさにそのパイオニア、頂点に君臨する存在と言っていいでしょう(自分でも言ってますし)。
そんなキズナアイですが、「炎上」しているのがニュースになっています。
いや正確に言うと、キズナアイに噛みついた側が炎上したと言った方が正しいのですが。
事の発端は、NHKの特設サイトでノーベル賞解説を若者向けに行う中にキズナアイが起用されたことにあります。
ある女性弁護士がそれに対して怒りの声を上げたわけです。
あんな女性の体を性的に強調したイラストがよりにもよってNHKの学術的な部門で使われるのはけしからん、といった趣旨であり、その発言にフェミニストと呼ばれる界隈でも急先鋒と目される方々が賛同の声を上げたのです。
また若い女性がこの手のインタビュー的な物で聞き役になるのは女性の役割固定化につながるとかなんとか言う言説もありました。
しかしこの動きは、横から見ていると単に日本にとどまらず世界的文化となったvtuberのパイオニアのエンタメをみんなで楽しんでる所にいきなりやってきたガラの悪い方々が難癖をつけた、という以外の何物でもないんですね。
キズナアイを単なる男性用のオタクコンテンツと思い込んでいる人には全く信じられない事かも知れませんが、女性ファンも子供のファンも数多く存在する全方位向けのvtuberなんですよね。
大体「性的」と指摘のあったデザインについてですが、子供を育てながら在宅仕事をする女性イラストレーターの手によるものです。
つまりキズナアイとは、中の人である無名の女性声優が、女性イラストレーターのデザインと言うガワを得て世界的スターになったというフェミニズムと言う考えの上ではあんまり非の打ちどころのない、最高の成功例の一つとして金字塔になってもおかしくない存在なわけです。
そこにフェミニストを名乗る先鋭的に過ぎる方々がやってきて全力で火や水をぶっかけるという、本当に訳の分からない状態になっている訳です。
ニュースのヘッダーでキズナアイ炎上、という見出しが躍る事もあるでしょう。
でも実際に燃えているのはそれに火を付けようとした方々である、と言う正しい事実の把握を忘れてはいけません。
まあそもそもキジナアイは見た目も声も女の子だけど実際は性別不詳と言う設定なので、女だの男だの言うのもおかしな話なんですけどね。