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「通帳の数字が増えていくことだけが、無上の喜び」という後輩

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大学を出て、就職した独身寮にいた頃のお話です。

同期入社と言っても、高卒の者、大卒の者、中途採用の中年に近い年代の人もいて様々に入り混じっていました。出身地も全国にわたっていましたので、部屋で飲み明かすのがとても楽しかった記憶があります。

私の二期後に、高卒で入ってきたT子という子がいました。

少しのんびりした話し方をする子で、嫌味な印象は一切なく、私を先輩、先輩と慕ってくれ、直ぐに互いに打ち解けることが出来ました。

彼女と同期で入ってきた高卒で新卒の者も何人かいましたが、T子は同年代の仲間とは一定の距離を保って付き合っているという感じでした。

他の同年代が熱狂するような音楽や遊びには全く興味が無く、一緒に遊びに行くこともありませんでした。

私とは気が合ってましたので、休みになると時々は二人で出かけたりもしました。食事代や飲み代は全部、先輩である私が払ってましたが、別に彼女をけちだとも何とも思っていませんでした。

独身寮には食堂があり、賄いの人が来ていましたので、朝食と夕食は寮で食べます。昼食も、賄いさんに頼んでおけば、おにぎりくらいでしたら作ってくれました。

若くて食欲旺盛な私たちは、おにぎりなどで満足することは出来ませんので、近所のスーパーやコンビニであれこれ買ったり、外食をしたりしておりました。

後輩のT子だけは、ほぼ毎日、賄いのオバさんにおにぎりを頼んでいて、事務所や作業所の隅っこで一人で食べていました。

そんな生活が2年ほど続き、私は転勤の辞令が出て、遠方の事務所に異動になりました。

私と同じくT子にも異動の辞令が出たと聞かされ、いつまた再会できるか分からないからと、寮内で異動辞令が出た者同士5名ほどでささやかな飲み会を開催しました。

皆、かなりの量を飲み、珍しくT子も、飲んだままその場に寝込んでしまいました。
T子の同期のSが、嫌味タラタラでこんな話を始めました。

「◯◯さん、知ってます?T子のやつ、給料のほとんど貯金してて、全然、金使わないんですよ。けちでしょ?◯◯さんも、大分、奢らされたでしょ?」

確かに彼女には無駄使いをしている印象はありませんでした。同期の者たちが自分用のパソコンを買ったり、ローンで車を買ったりしていても、彼女はそんなものには目もくれませんでした。

翌日、何気なくそんな話をすると、彼女はとつとつと話し始めました。

「私の目標は5年で1000万円を貯めることです。親への仕送り以外、全部貯金してます。」

彼女は、別に貧乏な家庭に生まれたわけでもなければ、目的があって貯金をしているのではなく、ただ貯金したいから貯金しているのだそうです。通帳の数字が増えていくことだけが、無上の喜びだとも言ってました。

それから数日後、寮にやってきた時と同じく、紙袋二つだけを持って彼女は独身寮を後にしました。

その後、彼女がどうなったかは分からないのですが、今までに会った中で本当の意味でのけちは彼女でした。彼女以上の人には、未だに会ったことがありません。

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