ヒロニャン情報局

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卓球世界選手権での南北合同チーム「コリア」について

先日スウェーデンのハルムスタッドで卓球の世界選手権(団体戦)が行われましたが、その中で驚きのニュースがありました。予選リーグ終了後に韓国と北朝鮮の女子チームが南北合同チーム「コリア」を結成し、準々決勝で予定されていた韓国・北朝鮮戦がキャンセルになったというものです。韓国と北朝鮮の両国は戦わずして準決勝進出を決め、銅メダル以上を確定させました。

南北合同チームの結成は平昌五輪の女子アイスホッケーでもありましたが、大会の途中で急遽結成するというのは大変異例です。

報道によれば、国際卓球連盟のバイカート会長は「今回の件はルールを超えた出来事であり、平和へのサインだ」と語ったそうですが会長自ら「ルールを超えた出来事」を肯定してしまっている事に私は強い違和感を覚えます。

仮にこれが決勝戦直前の出来事だったらどうなるのでしょうか。韓国と北朝鮮で急遽合同チームを結成し、決勝戦は無し。韓国と北朝鮮の両選手に金メダルを授与。こんな展開を見せられて素直に感動、称賛できる人はどれほどいるでしょうか。

少なくとも私が見たいのはメダルを賭けたアスリート同士の真剣勝負であり、スポーツの場を借りた政治的パフォーマンスではありません。しかし、こんなルール無視の異例の対応を競技団体の会長が認めてしまっている現実があるのです。

さらに、南北の代表者から合同チーム結成の申し出があった際には、理事会でスタンディングオベーションが起きたとの報道もあります。

異論を唱える関係者は一人もいなかったのでしょうか。それとも、異論を唱えられない「空気」があったのでしょうか。戦わずしてメダルを確定させることは、スポーツマンシップに反しないのでしょうか。

どうもこの世界には、「平和」を口実にすれば何でも許されるという風潮があるように思えます。確かに平和は大切な価値観ですし、南北融和は大変結構なことです。しかしながら、それをアピールするためならスポーツのルールや常識を曲げてしまっても良いという事にはならないと思います。

そもそも「スポーツの場に政治を持ち込んではならない」というのは国際常識のはずですし、「朝鮮半島の南北統一」は紛れもなく政治的案件です。

ところが、なぜか「平和」「南北融和」をアピールするためなら「政治」を持ち込むことが許されてしまう。この壮大な矛盾を我々はどう解釈し、どう理解したらよいのでしょうか。私には分かりません。

煮え切らない気持ちになりましたが、この南北合同「コリア」と準決勝で当たった日本女子チームは見事3-0で完勝しました。しかしながら、「平和」をアピールするためにスポーツのルールを無視してしまう国際卓球連盟への不信感は消えません。